モーター選定方法

お客様がモーターを選定する時、適切なモーター選定のための全ての情報が初めからそろっていることは稀です。通常、限られた情報の中か らベストのモーター候補を提案しお客様に試していただきながら、2 回、3 回の試作による微調整を重ねて、最終的にお客様が満足するONLY ONE SOLUTIONへ到達するのです。

最も大事なことはゴルフに例えるならば、先ず第一打( 初回提供モーター) をグリーンに乗せることです。そのためには最初の段階でお客様の要望に関するできるだけ多くの正確な情報を取得することが成功のカギとなるのです。

ご要望から採用までのイメージ

STEP1

お問い合わせの前に

Orbray が提供する小径コアレス/ブラシレスモーターは世界中で使われている大小様々なモーターの中のほんの一部に過ぎません。お客 様が求めるモーターが弊社のサポートできる範囲かを確かめるため、目安として次の3 つが当てはまるかを確認しましょう。

1. モーター直径はΦ4mm~Φ30mm
2. 安定したスムーズな動作が好まれるもの( コギングなし)
3. 量産に適した数量規模であること

STEP2

モーター選択のための基本情報

次の基本情報をご確認ください。

1.アプリケーション

何のアプリケーション( 機器) にどのようにモーターを使われますか?
例: 監視カメラのズーム、フォーカス動作用

2.SIZE LIMITATION サイズ制限

モーター、ギヤ、エンコーダ等を含めてアプリケーションに組みこむための直径(Φ)x 長さの制限を確認ください。
例: 最大直径16mm x 55mm 長、ギヤ含む

3.電圧/ トルク/ 回転数

電源
モーターのトルクや回転速度は供給電源の電圧や電流に依存します。先ずは供給電源が安定電源かバッテリー駆動かをご確認ください。

(V) 電 圧(V)
モーターのトルクや回転速度は供給電源の電圧や電流に依存します。先ずは供給電源が安定電源かバッテリー駆動かをご確認ください。

4.モーターの使用時間と使用頻度

一度にモーターを使用する時間の目安と使用頻度を確認してださい。モーターの使用領域によっては長時間使用することで発熱したり寿命に大きな影響を及ぼすことがございます。

例: 一回最長5 分程度、一日10 回、最低1 年間使用

STEP3

モーター選択のための手順

Step1～2 の情報を元にOrbray モーターの標準品（CMS/BMS シリーズ）で該当モーター及びギヤードモーターを探してみましょう。

1. 全モーター特性一覧表を参考にサイズと定格トルク欄から大体の該当モーターを探します。

Point 1: モーター型式名より大体のモーターサイズが分かります。
例: CMS16-33 06 = Φ16, 全長 33mm, 抵抗値 6Ω

Point 2: トルクと回転数は電圧に比例します。

電圧	7.4V → 10V
トルク	3.4mNm → 4.6mNm
回転スピード	25000rpm → 33780rpm

結果、モーター単体で12V、50mNm 出せるものはないことが分かります。

2. 次に、コアレスモーター ＋ ギヤ組合せ仕様から該当するギヤードモーターを探します。使用条件にもよりますが、目安として使用領域のトルクは起動トルクの1/4 程度までとします。

CMS16-3306P22

結果、CMS16-3306P22 が要求仕様をある程度満たしていることが分かります。実践的なモーター選定は複雑な計算を要するため弊社営業にお問い合わせください。

STEP4

お客様のアプリケーション固有の要望の確認

モーターは組み込まれるアプリケーション（機器）や環境によって、長く快適にご使用いただくために様々な特別な仕様調整（カスタマイズ）が必要な場合があります。以下に典型的な特別仕様例を挙げますので該当する場合はお選び頂き、それ以外のご要求はお知らせ願います。

通常のコアレスモーターの寿命目安は100h～1000h 程度、ブラシレスモーターは10000h 以上です（駆動条件によって異なります）。コアレスモーターで同目安以上の寿命が求められる場合は具体的な希望寿命目安と詳細使用条件をご提示ください。コアレスモーターはブラシと整流子の調整/ 変更等により寿命を改善することが可能です。

モーター/ ギヤはアプリケーション（機器）への組み込まれ方によってラジアル方向（出力軸に対して直角方向）やスラスト方向（出力軸と同一線方向）に過度の力が継続的に加わる場合、機械的な耐久性に影響する場合があります。その場合、モーターやギヤの強度UP のための施策が必要です。

標準Orbray モーターの使用温度範囲目安は-20℃～ 60℃程度です（コアレスモーター）。同範囲外でもモーターは使用できますがモーター特性や寿命に一定の影響を及ぼします。特別仕様により目安として-40℃程度までの動作が確認されておりますのでお問合せください（全てのモーターに適用できるわけではありません）。

通常スパーギヤは遊星ギヤに比べ、小さい動作音で作動します。しかしながら、高級精密カメラのレンズ駆動などはギヤードモーターが駆動する音を極限にまで抑える必要があります。Orbray は騒音の主原因であるスパーギヤに特殊材料を使用することによりスムーズ且つ低騒音でのレンズ動作を可能にしています。モーター固有の騒音は5 に記述する低振動対策により実現可能です。

携帯型の高回転スピンドル（外科用デバイスなど）は施術者が手にもって使用するため、振動が少なければ少ないほど快適な使用感が得られます。Orbray モーターは標準仕様でも比較的小さい振動に抑えられていますが、特別仕様にて極限まで振動を抑えることが可能です。

STEP5

カスタム仕様ガイド

Orbray が提供するアクチュエータの80% 以上はお客様のアプリケーションに最適化したカスタマイズ製品です。創業より80 年の経験の蓄積をベースにお客様の個々のニーズに合わせたサポートを実現いたします。

LEVEL1 - LEVEL3 はあくまで目安です。詳しくは弊社営業、または代理店にお問い合わせください。

完全カスタマイズ

企業様の機密プロジェクトなどのために、ゼロからお客様のご要求に基づいた設計提案も請け負っております。この場合は、お客様企業より開発費用をお預かりして正式契約を締結した上での共同開発とさせていただいております。