LTCCとは、Low Temperature Co-fired Ceramicsの略で、低温同時焼成セラミックスのことです。
低温焼成により抵抗の低い金属を導体に使うことが可能となり、低損失なことから、高周波用途での使用に最適です。 多層化・平坦化が容易、収縮ばらつきが小さいことから高精度・高密度実装が実現可能です。 DPC( Direct Plating Copper ) を用いることで熱伝導率が高く、高い放熱性が要求されるアプリケーションにも使用可能です。 このようにLTCCは回路基板や半導体パッケージなど様々な分野での使用が見込まれます。
(Zero Shrinkage LTCC)
Orbray LTCCの特徴は"無収縮焼成プロセス"にあります。焼成時にX, Y軸方向の収縮を抑制し、Z軸方向のみ収縮させることで位置精度が高く、平坦性の良い基板を焼成することが可能です。
標準 LTCC | NZS-LTCC | |
---|---|---|
収縮率 | 15 | 0.2 |
公差 | +/- 0.5% | +/- 0.05% |
アドバンテージ
高周波安定性
1GHz~18GHz!
収縮率比較
焼成後同サイズの取れ数アップ!
高精度な収縮バラつき
フリップチップに最適!
内蔵高周波部品
ダイレクトCuめっきセラミック基板
Cu : > 70um
アルミナ、窒化アルミも対応可能
LTCC製造プロセス
LTCC製造プロセス動画
特徴
- 焼成温度が低く、導体抵抗の低い銀を使うことが可能 → シート抵抗値=3mΩ/□
- 収縮ばらつきが小さく、高精度な基板が実現可能。→ +/-0.05%
- 熱膨張率が小さい → 6ppm
- 誘電正接が小さく、高周波特性が良い → 0.002
- DPC(Direct Plating Cupper)が可能
- 小型化・低損失・高放熱性
- 高いコストパフォーマンス
主な用途
- MEMSセンサ用パッケージ
- 高周波デバイスパッケージ
- LEDパッケージ
- 医療機器
- 航空宇宙&産業機器
(Hollow structure LTCC)
通常のLTCC基板と異なるプロセスを用いて、基板内に中空構造部をレイアウト可能にしました。
中空構造部を設定するだけではなく、中空部以外の全てを導通可能とし、基板と中空部の一体化に成功しました。
また内部の中空構造部を挟むように存在する上下のLTCC基板は通常のLTCC同様の設計と同様、パターンレイアウトやビア設定を行うことが可能です。
構造
通常のLTCC基板の内部に中空部が存在している構造となり、中空部形状やレイアウトにより対応用途は非常に幅広いです。
外観
中空部の形状は設計自由度高く、様々な形状に対応可能です。また各箇所の設計値によって値は変わりますが、基板面の高い平坦性も実現しています。
例として中空部の高さ0.50mm、幅150mm、長さ70mmの中空形状では平坦性は±20um以内の実績となります。
測定箇所 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
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測定値 | 15.0μm | 20.0μm | 12.5μm | 12.5μm | 20.0μm | 12.5μm |
外観詳細
ご希望に合わせた自由度の高い中空部の形状設定が可能で、ビアレイアウト、パターンレイアウトも通常基板と同じレベルで対応可能です。
アドバンテージ
中空部を形成すると同時に配線パターンもレイアウト出来ることにより、様々なアプリケーションでの基板の小型化及び複合活用に期待できます。
それと同時に、今まで複合体で形成されていた製品を一体化することで材料費や組立工数のコストダウンも図ることができます。
構造体と基板が一体型なので、細かい調整などのメンテナンスフリーを実現でき、取り扱いも安易になり、作業効率の向上も期待できます。
用途例
・電極が必要なノズル
⇒大気圧プラズマ洗浄装置のノズル
使用するガスの種類によって内部導体のパターン形状や導体間距離を自由度高く設定可能
整流形状も対応可能で中空部自体の構造も調整可能
・中空部を流路として活用した基板
⇒気体及び液体の成分分析センサー部
⇒水冷用の気体及び液体を流し、水冷による高温対策基板
整流形状も対応可能で中空部自体の構造も調整可能
・中空部に別材料を充填することによる特殊特性の基板
⇒優れた高周波特性をもった基板として使用(充填無しでも対応可能)
⇒高いシールド性をもつ材料を充填し信号の干渉を削減した基板として使用
⇒高放熱性材料を充填し高放熱基板として使用
・小型化、省スペースを目的とした一体化部品内蔵基板(注:搭載部は開口部必要)
⇒部品搭載、内蔵したキャビティ基板として使用
・構成上、部分的に断熱性を必要とする基板
⇒上部基板と下部基板で有効温度が異なる場合や、片側を高く(低く)保ちたい基板として使用