エキスパンドビームコネクタExpand Beam Connector

エキスパンドビームは、従来のコネクタとは異なり、光を広げたビームを利用して高い耐久性と安定性を提供します。この特徴により、繰り返し着脱しても端面が汚れにくく、メンテナンスが比較的容易です。また、このコネクタは特殊な環境への適応も期待されており、厳しい環境下でも信頼性を保ちます。

エキスパンドビーム接続技術研究開発中

エキスバンドビームは、ビームを拡大して伝送する技術を採用しています。この技術にはいくつかの利点があります。

• 1. 非接触の光空間伝搬による接続

  非接触の光空間伝搬により、コネクタ同士を接続できます。
  摩耗劣化が起こりにくく、高い長期信頼性を実現します。

• 2. コンタミネーションに強い

  コンタミネーション（異物）に強い設計で環境影響を受けにくく、端面クリーニング不要なため取り扱いが容易です。

• 3. 高精度な同軸特性

  40年以上のフェルール・スリーブ製造技術で培った高精度加工により、コネクタ回転による損失変動を最小限に抑えるための同軸特性を実現します。

• 4. カスタマイズ可能

  光学、メカニカル設計を自社で行うことで、光学特性やサイズ、部品などを自由にカスタマイズし、お客様のニーズに最適な光学設計を実現します。

• 5. 様々なコネクタ形状に応用可能

  LCコネクタに限らず様々なコネクタ形状にも応用可能です。

• 6. 特殊な環境への適応

  特殊な環境下での高い信頼性が期待できます。幅広い用途で高い性能を発揮し、従来技術では対応できなかった過酷な環境で高い信頼性を実現します。

結合方法の比較図

新方式
エキスバンドビーム（コリメートビーム）

レンズを使用することで、非接触の空間結合になるため、回転における挿入損失の変動が小さくなります。また、端面の損傷や異物付着を受けにくいという利点があり、定期的な端面清掃が不要になります。

従来型
フィジカルコンタクト

フェルールの端面同士が接触し結合するため、挿入損失は優れていますが、回転による摩耗の影響を受けやすくなります。また、端面損傷や異物付着等のリスクも高くなります、異物付着時には端面の清掃が必要になります。

特性

設計例
シングルモードタイプ (@1550 nm)
・ビーム径 (1/e2) : φ160 μm
・放射角度 (1/e2) : <1°
マルチモードタイプ (@850 nm)
・ビーム径 (5%) : φ380 μm
・放射角度 (5%) : <3°

回転損失変動

マルチモードタイプエキスパンドビーム

エキスパンドビームとバットカップリング

主な用途

1. データセンター応用
   サーバーラック間の高速接続
   着脱頻度の高い環境での信頼性向上




2. 産業用ロボット
   可動部での光通信（自動車製造ライン）
   振動・衝撃の多い環境での安定動作




3. 海洋・船舶システム
   耐環境性を活かした通信（海底ケーブル中継器）
   高圧・高湿度環境での信頼性確保




4. 医療機器
   着脱可能な光通信モジュール（内視鏡システム）
   クリーンな環境維持の必要性




5. 航空宇宙分野
   高信頼性通信（人工衛星間通信）
   極限環境での安定動作




6. その他
   車載、防衛、放送、映像機器