世界最小径中空モーター
近年、エンドエフェクタなどの工業機器、寸法測定機などの計測機器、機能性内視鏡/カテーテルなどの医療機器等、高度精密機器の高機能化・小型軽量化といった技術の進歩が著しく、小型中空モーターがその駆動源として注目され、使用されています。
機器に複数のモーターを搭載する場合、限られた空間の中で、電源、信号等、電気配線の引き回しが問題となる場合がありますが、モーター中空軸を通して配設することにより、空間利用効率を高めることができます。例えば、ロボットアーム、エンドエフェクタには、人間同様の器用な動きをさせるために、多くの小型モーター(マイクロモーター)が使用されています。それらの電源・信号配線を配設する際、中空軸構造の中空モーターが、機器の小型化に大きく貢献します。
中空モータは、中空軸構造を持つモーターのことで、サイズは大きいのもから小さいもの、モーター種類もDCブラシレスモーター、ACサーボモーター、ステッピングモーター等さまざまですが、小型・小径に有利なのは、鉄心を用いずコアレスコイルを使用し、駆動にセンサーを用いないDCセンサレスブラシレスモーターです。
またDCブラシレスモーターは、小型、高効率、低電圧駆動、制御性等の面で優れた特徴を有しており、さまざまな分野で使用されています。
昨今のデバイス、機器の小型・軽量化に伴い、それに実装されるモーターの小型、軽量化が要求され、そのため、それを構成する部品もより小さく、より高い加工精度が求められています。 世界最小径にこだわり、独自の精密加工技術・精密組立技術を駆使して開発したOrbrayの世界最小径中空モーターをご紹介します。
世界最小径中空モーター
モーター外径φ0.9mm、モーター全長3.8mmでありながら、外径0.2mm、内径0.18mmの中空シャフトを配しています。
また、外径0.9mmという寸法上の制限からホールICや、ホール素子の搭載は難しく、センサレスブラシレス駆動を採用し、トルク定数は12µNm/Aです。
中空構造であることから、モーター内部に配線を配することができ、自由度の高い設計が可能となります。あるいは、中空孔に光ファイバーを通したり、ガイドワイヤーを通すなど、機能部品のモーター内部への貫通配置が可能で、微小空間における高機能ユニット構成に寄与します。
小型中空モーターの用途
Orbrayでは、前述の中空モーターと光ファイバーを組み合わせ、360°全周に渡り光スキャニングを可能とした外径0.9mmの光プローブを考案し、それを用いて、最小測定可能孔内径1.1mmの光干渉式内周面精密測定機をリリースし、販売を開始しています。内径・真円度・キズ等の非接触同時測定と、細孔内周面のビジュアル化が可能で、現在、エンジンボア、精密機器の軸受、航空宇宙機器の燃料噴射ノズル、医療機器の中空部品、分析装置の精密ノズル等、精密細孔加工部品の内周面評価への適用が期待されています。
また、生体挿入時にガイドワイヤを通す必要性から中空構造が必須であり、機能性内視鏡/カテーテルへの搭載が、国内・米国等の複数のメーカー及び研究機関で進められています。
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