小型サーボモーター ~コミュニケーションロボットからエンドエフェクタまで産業用ハンドメーカーへの展開~
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コミュニケーションロボから産業用まで広がるロボ用小型サーボモーター
12ミリ×24ミリ×12ミリメートルという業界最小のロボット用小型サーボモーターが、家電用や産業用ロボットのさらなる可能性を広げました。当社とシャープはこの小型サーボモーターを共同開発し、これを搭載したモバイル型ロボット電話「ロボホン」としてシャープが2016年に発売しました。
この小型・軽量且つブラシレスモーターと非接触位置制御を搭載し長寿命化を実現したことにより、次世代商品として人手不足を補う産業用や医療・検査分野へ活用されるであろう 協働ロボット用ロボハンド「K3HAND」に発展しました。
「ポケットに入る〝目玉おやじ〟のようなロボットをつくりたい」
当社がロボット用小型サーボモーターに参入したのは、2013年11月に シャープから新型ケータイ端末開発の打診があったのが始まりでした。ロボットクリエーターの高橋智隆氏のデザインによるロボット電話の開発を目指してました。イメージは「ポケットに入る〝目玉おやじ〟のようなロボット」。
当時、小型ロボット用サーボモーターは玩具用がほとんどで、家電用の耐久性や静音性に応える性能のモノがありませんでした。そこで小型モーター開発の実績が買われ、声がかかりました。小型ロボット用であったことからギアやクラッチ等ドライブ機構は独自に開発。さらにシャープは得意とする携帯電話を開発する時に必要な技術である薄型基板を設計担当し、総合力とチーム力でロボット用小型サーボモーターが完成しました。
500時間以上に耐久性を高めるためブラシレスモーターを採用。デザイン性を確保するため、サーボ部を間接のようにアーチ形状を持たせました。また外部からの負荷による破損を防ぐため、ギアをスライドするクラッチを開発しました。ロングラン商品に成長しました。
コミュニケーションロボで採用相次ぐ
ロボホンの誕生により、搭載されたサーボモーターも注目を浴びました。これをきっかけに採用が相次ぐこことなりました。 まずソニーのペット型ロボット「aibo」から開発の声がかかりました。これまでにない小型・高トルク・長寿命という難関の要望に対し、当社が新たに開発した4極Mg搭載のブラシレスモーターを提案。俊敏な動作と静音性が高く評価され採用へ。2017年に仕様が決まり、2018年に商品化できました。
この流れはコミュニケーションロボットだけではなく、産業用ロボットにも展開が始まり、ヒトと一緒に働けるコンセプトの協働ロボットの関節にも導入されこれからのヒューマノイドロボットにも活用されることになるかと思われれます。
産業用ハンドメーカーへ
現在、ロボット用小型サーボモーターの開発から、さらに次のステージに進化を遂げています。2018年にはサーボやギアなどのパーツを組み合わせることで指の動きを実現する独自のロボハンドの開発に着手。産業用ロボットの先端に搭載可能な三つ指のロボハンド「K3HAND」を2020年に完成しました。8軸8個の小型サーボモーターを搭載しヒトの指の動きに近い動作が可能なのが特徴。「器用」「小型」「軽量」の頭文字から「K3」と名付けました。
多軸や双腕など各種のロボットに取り付けが可能。例えば多軸ロボットと組み合わせて、新型コロナウイルスの検査システムとして提案したり、双腕ロボットと組み合わせて、ヒトの代わり、人が近づけないような場所での作業、遠隔操作システムとしての提案などを検討しています。 今後、産業用ハンドメーカーとしての展開を強化していきます。
ロボット関節用小型サーボモーターのさらに詳しい情報を掲載しています。
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