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モータードライバーとは?

   最終更新日:    公開日: 2024/05

ドローンやCNCマシン、ロボットに内蔵されている電気モーターがどのように制御されているのかご存知でしょうか。モータードライバーは、製品の中に配置され普段目に付くことはありませんが、こうした電気モーターを制御する役割があります。外部からの制御入力信号に応じて、モーターの速度、トルク、方向を操作するのに必要な電力を供給します。

このブログでは、様々なタイプのモータードライバーとその機能を紹介します。まず初めにドライバーの基本的な機能について深く掘り下げてみましょう。

モータードライバーの役割

モータードライバーとは入力信号に従って電流を増幅することにより、モーターの特性を可変できる電子機器です。モータードライバーには、モーターの種類に応じて使い分ける必要があります。ブラシレスモーター、サーボモーター等、それぞれのモーターに特化したドライバーがあります。

モータードライバーは、ホストコントローラーとモーター本体との間の仲介役です。ホストコントローラーはモーターを直接動かすことができないため、ドライバーはホストコントローラーの信号に応じて電力を供給します。モーターのトルクと速度に関しては、ドライバーはコントローラーのコマンドを受けてパラメーターを調整します。

これらのドライバーに共通しているのは、モーターのトルクや速度を制御・操作するということです。また、モーターの種類だけでなく、様々な要素でモータードライバーは分類されます。例えば、駆動方式、システムの互換性などが挙げられます。

また、モーターの駆動状態を外部デバイスに出力するI/O(アイオー:入出力の意、Input/Output)を持つモデルもあります。I/Oは、こうした機能はシステムがモーターの駆動状態を把握するためにも有用です。

ドライバーによる駆動方法

ドライバーは信号に応じて正転/逆転を切り替えることができます。

従来の方法では、可変電圧(電圧を変えること)によって、速度やトルクを変えます。一方、可変電圧の代わりにパルス幅変調(PWM)駆動を採用するケースがあります。一定電圧でオンオフを繰り返す制御であり、半導体との相性が良いという特徴があります。

なぜモータードライバーが必要なのか?

世界のモータードライバーIC市場規模は2032年までに1億5673万米ドルに達すると予想されており、モータードライバーの需要は年々高まっています。

モータードライバーが電動モーターに使用される理由は以下の通りです。

  1. モーターを使用する上で必要となる特性は変わります。そのためにはドライバーを使用して調整します。
  2. モーター種類によって、必要となるドライバーの機能が異なります。サーボモーターの場合は、その精密な動作を発揮するためにドライバーが使用されます。ブラシレスモーターの場合はドライバー無しではモーターを回転させることができません。
  3. モータードライバーはモーターの安全性を確保する役割も担っています。モーターの速度、トルク、回転を安全な範囲に置き、過電流やモーターの焼損を防ぎます。

モータードライバーの種類

モーターの種類によって、その動作メカニズムは異なります。そのためドライバーは様々なカテゴリーに分類されます。ここでは 代表的なドライバーを紹介します。

ブラシ付きDCモータードライバー

ブラシ付きDCモーターは、直流を印加することで回転します。用途に適した特性を得るためには、入力電力を制御する必要があります。この電力を制御する方法は複数ありますが、ブラシ付きDCモータードライバーを使用することで容易に制御が可能です。そのためブラシ付きDCモータードライバーは、安全性が高く、より機能的な運転を実現します。

ブラシレスDCモータードライバー

ブラシレスモーターには、コイルに流れる電流の方向を切り替えるブラシがありません。そのため、コイルの相ごとに電流を切り替える必要があります。

この操作をモータードライバーが担います。電流が流れることでローターに対して磁場を発生させます。その結果、モーターは支障なく安定して回転し続けます。

ブラシレスモーターには、ホールセンサー内蔵・非内蔵(センサレス)タイプがあります。センサーはローター位置を検出して、どの相に電流を流せば良いかを把握できます。一方、センサー無しでは検出ができず、センサー内蔵タイプに比べて始動性が劣る傾向があります。

ブラシレスDCモータードライバーの特長は、ただ回転させるだけではありません。

回転制御は、動作精度を向上させ、モーターに対するユーザーの制御を改善します。例えば、I/Oの一種であるFG出力は、回転速度に応じたパルスを出力し、モーターの回転速度を把握するのに役立ちます。

ステッピングモータードライバー

ステッピングモーターは、パルス信号によって回転速度や停止位置を正確に指定できるモーターです。指定のステップ数に対応したパルス指令をドライバーが出力します。この指令を受けてステッピングモーターは動作します。ステッピングモーターは現在位置などをフィードバックせず、上位からの一方向の指令だけで駆動されるオープンループ制御で使用される事が多く、制御が容易である事が特徴です。

サーボモータードライバー

サーボモータードライバーは、エンコーダからの信号をフィードバックすることで、角度や回転速度を正確に制御します。このドライバーは、指令入力を受け取り、応じた電流をモーターに流します。フルクローズドループ(モーターの現在位置を取得してフィードバックする制御方法)が一般的に使用されます。

モータードライバー例

ここまでモータードライバーがどのように機能するか説明してきました。また、モーターの種類によって正しいドライバーを選定する必要性をご理解いただけたかと思います。

Orbrayでは自社製造の小型モーターに対応したドライバーを複数種展開しています。

ブラシレスモータードライバーSSD06-R5A:

SSD06-R5Aはセンサーレス・3相ブラシレスモーターBMN04-08XXおよびBMN07-12XXモーターに対応のドライバーです。FGパルス出力は1回転あたり1パルスです。

ブラシレスモータードライバー SHSD24-01A:

SHSD24-01Aは、Orbrayのブラシレスモーター(ホールセンサー内蔵タイプ、センサレスタイプを含む)の速度制御用に設計されたドライバーです。各種保護機能、LEDまたはLCDオプションによる状態監視、アナログ出力を備えています。速度制御、方向制御用の外部入出力信号にも対応しています。

小型サーボドライバー PSV24-05E:

PSV24-05Eは、Orbrayのコアレスブラシ付きモーターおよびブラシレスモーターに対応した小型サーボドライバーです。サーボ駆動にはエンコーダ付きモーターが必要です。速度/トルク(電流)/位置、I/Oオプションなど様々な制御モデルをサポートしています。また、EtherCATやRS485に対応し、デイジーチェーン接続によって同期多軸制御が可能です。

モータードライバーまとめ

モーターを制御するには、モーターの種類に適したモータードライバーを選ぶことが必要です。

加えて、モータードライバーの供給できる電流範囲やI/Oなどによって様々な選択肢があるため、モーターの仕様とユーザーの実現したい内容を照らし合わせることが重要です。
Orbrayは、試作や研究開発に役立つ小型モーター用ドライバーを取り揃えています。モータードライバーをお探しの際は、是非お問い合わせください。

お問い合せは下記フォームに入力し、確認ボタンを押して下さい。

※お問い合わせフォームからのセールス等はお断りいたします。送信いただいても対応いたしかねます。

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