ファミリービジネスネットワーク講演「3代目経営者が語る、一社如一家(いっしゃいっかのごとし)」
代表取締役社長 並木 里也子
「ファミリービジネスは、世界のどの地域においても普遍的なビジネス形態で、我が国の企業数の約95%がファミリービジネスと言われています。
つまり、地域経済・社会の基盤を支えているのがファミリービジネスです。しかし、一方で小規模、非効率、閉鎖的、ガバナンスが甘い、といったマイナスイメージがつきまといます。
それは、ファミリービジネスが「ビジネス」「オーナーシップ」「ファミリー」という3つの要素で構成されており、この3つの要素が、相互に強く影響し合い、また牽制し合うことに起因します。つまり、「ファミリー」の関与という要素だけ、一般企業と比べて複雑な組織となります。この特性が、ファミリービジネスのあらゆる長所と短所の要因となります。
ファミリービジネスの長所は、長期的な視野に立ち、粘り強くビジョンを追求できることです。また、従業員や他の利害関係者と親密な関係を構築できるという面でも優れているといえます。「強いファミリービジネス」には、そういった特徴が顕著にみられます。
ファミリービジネスの永続的な繁栄のためには、個々の課題に対して「ビジネス」「オーナーシップ」「ファミリー」の3つの要素をバランス良く調和させた取り組みが必要不可欠です。
FBN.Japanは、ファミリービジネスが持つ生来の強みを最大化し、かつ、弱点を克服するために、「ビジネス」「オーナーシップ」「ファミリー」それぞれの関係を調和させるお手伝いをいたします。
また広範囲におよぶリサーチをもとに、世界各国のファミリービジネスで、実際に適用されているコンセプトや戦略をご紹介することで、日本のファミリービジネスの皆様のお役に立つことを目指したいと思います。」(FBN.Japan HPより引用)
このように、FBNでは年間を通してセミナーや勉強会、交流会などが行われます。私は入会したばかりですが、当社の紹介と取り組みについて講演をさせてもらう貴重な機会を頂きました。
講演では、社員エンゲージメント強化で行ってきた取組みについて、またコンサル出身の副社長とともに構造改革を行わず、社員の内なるマインド・モチベーションを高め業績のV字回復を実現させたことなどをお話しました。
特に反響のあった事や質問としては、1000名の社員の個人面談、手渡ししているバースデーカード、女性教育研修セミナー、アスリート経験がどのように経営に活かされているかなどです。
また、私が直接社員たちに働きかける姿勢について、誰の影響を受けたのかと聞かれました。実は、私は幼少期に祖父と一緒に住んでいたことがあり、週末には家族で新潟県の山荘に集まって、スキーを楽しんでいました。大自然の中での体験を共有できたことは、私にとっては大きな影響を受けた事でしたし、ファミリーの絆は深まったと感じています。その中で、並木家に共通している概念となる、人の為に何かをする事、皆で楽しむ事が自分の幸せだという考え方が自然と身についていったのだと思います。
ファミリーガバナンスの基盤となるのは、ファミリーメンバー間での定期的な会議開催、重要テーマに関する合議制での取り決め、後継者に関する客観的な検討プロセス、外部の目を入れた定期的なモニタリングなどが必要で、お互いにコミュニケーションをきちんと取ることが大切です。
オーナーファミリーの想いを一つにして、事業及びオーナーファミリーの長期的存続・発展を目指す取り組みは、日本国内の多くの中小企業や産業の維持発展に貢献することができる重要なテーマだと思っています。
一般社団法人、100年経営研究機構代表理事、後藤俊夫様よりコメントを頂きました。
後藤様は、以前先代である私の父より当社の祖業であるレコード針について話を聞いたことがあるそうです。そして当時、今後新しい分野である光通信業界に進出していくという事から、一つの分野に留まらず、革新的な技術を生み出していることに感銘を受けたそうです。100年経営を研究されている後藤さんから、当社が長年培ってきた時代に合わせた技術力を評価して頂き、とても嬉しく思いました。
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