犬っこまつりに参加 地元や社員への感謝を込めて
2月11、12日の2日間、Orbrayの工場の一つがある秋田県湯沢市で400年続く伝統の小正月行事「犬っこまつり」が行われました。コロナ禍で過去2年間は中止になってしまったため、3年ぶりの開催。当社は8年ぶりの参加ということもあり、感染対策をしながらではありましたが、準備をする湯沢工場の総務部の面々もわくわくしていました。
今年は、湯沢市総合体育館近くの会場に14の雪の「お堂っこ」とその左右に狛犬のように立つ「犬っこ」の雪像が作られました。秋田では、親しみを込めて「お茶っこ」とか「童(わらし)っこ」というように、よく名詞の下に「っこ」をつけます。
「お堂っこコンクール」では、当社のお堂っこが「湯沢商工会議所会頭賞・羽後交通株式会社賞」を受賞しました。直線的なデザインがなかなかしゃれているでしょう。社名変更をしたばかりでもあり、正面に「Orbray」の社名を入れた額を飾りました。
雪像作りには約1週間も掛かるので、湯沢市のシルバー人材センターに制作をお願いしました。雪像作りには塩の使い方とか、雪の固め方など様々なノウハウがあります。地元のシルバーの方たちには、雪像づくりに慣れた方たちが多いので端正にしかも丈夫に作ってくださいます。雪像づくりは、以前は人力で雪を積んでは足でしっかりと踏み固める作業を繰り返して大きな固い雪の塊りを作らなければならず重労働でした。今はパワーショベルが犬っこ2匹とお堂っこの原型になる大きな四角い3つの雪の塊を作り、それを大きな部分はチェンソーやのこぎり、小さな部分はシャベルや定規などあらゆる道具を駆使して削っていきます。
ことしは湯沢市としては雪が少なく大変だったのではないかと思いますが、賞をいただくことができ、社員一同、感謝の念でいっぱいです。
今年の犬っこ祭りの初日(11日)はこの季節の湯沢としては珍しい快晴でした。会場にはお子さんを連れたファミリー層がたくさん訪れ、金魚すくいや焼きそばの屋台のほかカレーなどのキッチンカーも建ち並び、郷土料理の試食や地元の酒蔵の工場見学や日本酒の試飲もできました。コロナ感染の第8波がようやく収束し、久しぶりのお祭りを楽しみたい人々がぎっしりと会場を埋め尽くしていました。
子供たちは、雪でできた犬っこたちの上に乗せてもらったり、雪の滑り台を滑ったり大はしゃぎでした。犬を連れて来る人も多いため、犬のおはらいをするやはり雪で作った犬っこ神社や広いドッグランも設けられました。夜になると、お堂っこにろうそくが灯され、一転、幻想的な雰囲気になります。花火が打ち上げられお祭りは最高潮に達します。
雪国の冬は寒く歩きにくく、子どもたちも犬も家に閉じこもりがちになりますが、このお祭りは外で遊べるめったにない機会です。いい気分転換になったと思います。
犬っこまつりは400年前、江戸時代の初期に、町を荒らした大盗賊をお殿様が退治し、その後、再びそのようなことが起きないように、旧小正月に米の粉で作るしんこ細工の小さな犬っこや鶴亀を作らせ家の入口や窓にお供えして祈念したのが始まりだそうです。現在ではりっぱな雪のお堂っこと犬っこを作り、その中に素朴なしんこ細工の犬っこを置き、お餅や甘酒などをお供えしています。
小正月という言葉、あまり耳なじみがないかもしれませんが、秋田県では各地で多彩な行事が行われ、豊作を祈り、平穏な生活を願います。小正月が終わると、長く暗いトンネルのような雪国の冬も終わりが近いという喜びが空気にみなぎってきます。
湯沢に進出して50年以上、当社は地元の人に愛される会社になるため様々な社会的活動を行ってきました。地元の人が大切にするお祭りに参加させていただくこともその一つです。これからも湯沢の企業市民として地域社会のために貢献していきたいと思います。