Orbray株式会社(旧アダマンド並木精密宝石)ブログ。技術のトレンド、製品のワンポイント、SDGsなどについて紹介していきます。

高速、大容量光通信システム構築に必要な光学素子 光フィルター

高速、大容量光通信システム構築に必要な光学素子 光フィルター
   最終更新日:    公開日: 2022/06

光フィルターは、特定の波長のみの光や、特定の波長以上または以下の光を透過する光学素子です。光通信や光学測定機などでは、入射された光から特定の波長の光を取り出して利用する場合、光フィルターを用いて不要な波長の光をカット、または吸収して利用します。

WDMによる光信号の多重化と光フィルター

近年、光通信システムは、各家庭まで導入が進み、更なる大容量化や高速化、高機能化が求められています。そのための手段として、波長分割多重方式(WDM;Wavelength Division Multiplexing )が用いられるようになりました。これは、波長の異なる信号間では干渉が小さく影響を受けないということを利用し、複数の波長に異なる信号を載せ、1本の光ファイバーに複数の波長チャンネルの信号を多重化して伝送する方式です。WDMの手法にはいくつかあり、極めて狭い波長間隔で数十から数百もの異なる波長の光を多重化して伝送するDWDM(Dense WDM)や、比較的広い波長間隔にすることにより設備コストを抑えたCWDM(Coarse WDM)などがあります。

WDM operating principle.svg
WDMの原理 By <a href="//commons.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Xens&amp;action=edit&amp;redlink=1" class="new" title="User:Xens (page does not exist)">Xens</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY-SA 3.0, Link

WDMの送信側では、異なる波長で発振する複数の半導体レーザ(LD)をもとに光信号を作り、それをまとめて1本の光ファイバーへ送ります。多重化された光信号は、受信側では送信側とは逆にそれぞれの波長ごとに分離された後、光検出器(PD)により光信号を電気信号に変換します。これにより、1本の光ファイバーでも、複数の光ファイバーを束ねたのと同じように多くの光信号を送ることが可能になります。

多重化された光信号を波長ごとに分ける際には、光フィルターが用いられます。光フィルターには、誘電体多層干渉膜フィルター、アレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)などがあります。また、特定の波長を有する光信号の送信状況をモニタリングする測定装置等では可変光フィルターが用いられ、希望する波長に切り替えて光信号を取り出します。

可変光フィルターとは

可変光フィルターは、透過波長帯域を変えることができる光フィルターです。透過波長帯域を変えることにより、多くの波長を持つ光の中から特定の波長を必要に応じて選択的に取り出せます。
可変光フィルターの原理にはファブリペローエタロン型、回折格子型、干渉型などがあります。

ファブリペローエタロン型

ファブリペローエタロン型の可変光フィルターは、高い反射率を持つ2枚のミラーを、反射面を向き合わせて微小な間隔を空けて配置した光フィルターです。反射面の間で起こる光の干渉を利用し、条件に合った波長の光のみを透過させます。

一方のミラーから入射した光は、向き合ったもう一方のミラーの反射面で反射され、向き合った反射面の間で何度も反射を繰り返します。このように多重反射した光は、干渉により位相が一致すれば強くなり、位相が異なる場合は減衰し、強くなった光が透過されます。干渉はミラー間の距離と光の波長との関係で決まるので、ミラー間の距離を微小に変化させることで、透過する光の波長を変えることが可能です。

ミラー間の距離を変えるための駆動機構には、MEMS技術を用いて形成された微小な圧電素子などが用いられます。小型で、安定した高速での波長の切り替えが可能です。

回折格子型

回折格子型の可変光フィルターは、回折が入射角と波長によって変化する現象であることを利用した光フィルターです。回折格子は、表面に非常に細かい凹凸が形成されています。このような面に光が入射すると回折が生じ、角度と波長の関係により、干渉により強めあった光が波長ごとに決まった角度に進んでいきます。回折格子の入射角を微調整することで、所定の角度に向かって希望する波長を持つ光を送ることが可能です。回折格子型可変フィルターの方式の一つとして、MEMS技術を用いて形成される角度可変ミラーと透過型回折格子を用いる方法があります。

干渉型

干渉型の可変光フィルターでは、特定の波長を選択透過させることができる干渉フィルターを用います。干渉フィルターは、薄膜の界面で反射された光が干渉し、特定の波長の反射光が強く、または減衰することで、任意の波長の光を透過させます。ファブリペローエタロン型と同様に光の干渉を利用していますが、1つの干渉フィルターは固定された1つの波長のみ透過可能です。波長ごとのフィルターを備え、フィルターを機械的に切り替えることで希望する波長の光を取り出します。


Orbrayの可変光フィルターMEMS素子を利用した光学系により、小型の外形に可変光フィルタと可変光減衰器の2つの機能を搭載しています。

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