セラミック腕時計とは? メリット 特徴を解説
腕時計の素材としてセラミックが注目されています。海外ファッションブランドの高級腕時計では、外装やベルト用の素材としてセラミックが多く採用されてきました。近年、セラミック腕時計の人気は更に高まり、多くの製品が作られています。
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腕時計部品に最適なセラミック
セラミックの語源は、ギリシャ語の”keramos”(粘土を焼き固めたもの)とされています。古くからある素焼きの器や陶磁器類も、広い意味ではセラミックと言えます。つまり、セラミック腕時計は、「陶器の腕時計」とも言え、そのようなイメージを持つ方もいる方もいるかもしれません。
しかし、現代のセラミックは、ただ単に粘土を焼き固めて作るようなものとは異なります。ジルコニアやアルミナなどの精錬された非鉄金属材料パウダーの他、各種の原料を製品に合わせて調合して成型し、焼結することで製造しています。「ファインセラミックス」と呼ばれ、非常に硬く、研磨することで美しい輝きを持ち、錆びることもありません。腕時計の素材として最適な特長を持っています。
セラミックが腕時計の素材として利用されるようになったのは1980年代頃からです。世界的に有名なファッションブランドが自社の腕時計の素材として利用したことで話題となりました。精度よく製造することが難しく、当初は限られた製品のみでの使用でしたが、製造技術が進歩することで、現在は多くの製品で利用されるようになっています。外装やベルトだけでなく、腕時計内部のムーブメント部品にもセラミックが用いられるようになりました。
セラミックを腕時計に使うメリット
以下にセラミックを腕時計の素材にするメリットを挙げます。
非常に硬く傷がつかない
セラミックは鉱物で一番硬いダイヤモンドに次ぐ、モース硬度9の硬さです。ビッカース硬さは2300程あり、ステンレス鋼(SUS304)のビッカース硬さは200弱なので、金属と比較しても非常に硬いことがわかります。金属製の腕時計を腕につけて長く使っていると、色々な物に当てて細かい傷がつき、表面の風合いが変わり使用感がでてきます。セラミックは何かに強く当てても傷がつくことは滅多にありません。また、酸化して錆びることもなく、高い耐熱性、耐蝕性、絶縁性、耐摩耗性なども持っています。半永久的に新品のような品質を保つことが可能です。
研磨をすることで美しい輝きを持つ
焼成後は通常の焼き物のようにツヤはありませんが、研磨することにより、ツヤを持ち、輝きが増していきます。硬さや輝きを活かし、宝飾品としても広く使用されるようになりました。
カラーバリエーションがある
セラミックは、原料に添加物をドープさせることにより、様々な色を持ったセラミック(カラージルコニア)を製造することが可能になりました。シックな黒や白の他に、ピンク、黄色、赤、青など色に加え、淡いトーンやビビッドな色など、目を楽しませてくれます。材料のパウダーの調合具合によっては、単色のみならず、マーブルのような微妙な色合いを出すことも可能です。
肌への影響が少ない
セラミックは、腐食がなく、アレルギー反応を起こさないなどの理由により、入れ歯や人工骨などの医療用途に使用されています。アレルギーを持つ方でも、安心して使用できます。
セラミックの製造工程
セラミックに用いられる主な原料としては、アルミナ、ジルコニア、強化アルミナ(ジルコニア添加アルミナ)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミ(AlN)などがあげられます。製造工程は以下になります。
- 原料パウダーや結合剤となるバインダー、焼結助剤や強化剤などの各種添加剤の調合
- 調合後のパウダーを混錬
- 混錬後のパウダーを型に入れて成型
- 焼成
- 研磨
セラミックは、型で成型して焼成して作るので、複雑な形状の製品を大量生産することも可能です。金属では作ることが困難な形状でありながら、金属を上回る硬さや性質を持ち、金属よりも軽い製品を製造することもできます。
セラミックの製造工程で難しい点は、粘土で作る焼き物と同じように、焼成することで製品が縮むことです。試作段階では、収縮率を検討した上で焼成工程を何度も繰り返し、均一で精度の良い製品となるようにします。また、焼成後の研磨においても、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つので、精度よく研磨するには高度な匠の技術が必要です。何工程にも分けて研磨を行うことで、高精度の製品を作り出します。
セラミックの機械加工は、ダイヤモンドツールを駆使し、複数の工程を経て最終研磨工程にたどり着きます。また、時計外装部品の研磨は、機能的であると共に美しくなければなりません。
セラミックの持つ独特の光沢と高級腕時計に見合った品格を引き出すためには、セラミックの特性を知り尽くした上で、長年培ってきた研磨技術を融合することで完成されるのです。
セラミック腕時計と当社とのかかわりは、1980年代からになります。当社がセラミック腕時計を製造し始めた頃は、他の会社ではあまり作られていませんでした。最初のセラミック腕時計は、黒の単色のみで、その後に白のカラーバリエーションが加わります。白のセラミック腕時計はプラスチックとは違い、パールのような質感と輝きで、今まで腕時計として無かった色が作られたことで、女性に人気が出て、セラミック腕時計の爆発的なブームが起こります。
当社のセラミック腕時計の外装部品は、海外ファッションブランドを代表する高級腕時計として、長年採用されてきました。皆様のご要望にあった、色・形に作られた、高級感を醸しだすセラミック腕時計の部品をご提供ができますので、お気軽にお問い合わせください。
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