SDGsの取り組み~ふろぷろADNaの最終報告会
代表取締役社長 並木里也子
「ふろぷろOrbray」の最終報告会が1月22日、横手駅前のわいわいプラザで開催され、8人の高校生たちが昨年10月から3カ月にわたってオンラインで行ってきたワークショップの成果を発表しました。
Orbrayが、(一社)FROM PROJECT(ふろぷろ)と共同で開催した「ふろぷろOrbray」では、地域のために何かをしたい高校生を募集し、彼らが具体的なプロジェクトを立ち上げ、実行するのを大学生とともにサポートしました。
慶応大学の湘南キャンパスから始まり、秋田では国際教養大学に入学したのをきっかけに東京出身の竹内菫さんが立ち上げた「ふろぷろ秋田」。その仲間たちが続けている活動は、もう10回を超えましたが、企業がスポンサーとなったのは、今回が初めて。Orbrayもふろぷろとのコラボで秋田のために何かしたいという思いを実現させてもらい感謝しています。
昨年12月2日の中間報告の時には、それぞれの高校生が掲げたゴールはすばらしいのですが、まだそこに至る道筋をまとめ切れていないという印象がありました。しかし、彼らはその後の1カ月半、仲間を募集してイベントを企画したり、パンフレットを作ったり、具体的な行動を起こしました。その過程で、新しい構想が生まれ、グループから離れひとり立ちしてプロジェクトを遂行した子もいました。
審査員は、湯沢商工会議所の和賀幸雄会頭、Orbrayの和田統副社長、横手市役所の佐々木公仁(くに)商工観光部長、首都圏で湯沢の町おこし活動をしている三浦知記さん(株式会社Miulan 代表)の4人が務めてくださいました。みなさん、お忙しいなか、ほんとうにありがとうございました。
幸せにし隊(ゆうき、きりと、たつき)
最初の発表は、「幸せにし隊」のゆうき、きりと、たつきの3人。3人は雪が多い湯沢や横手で雪かきができずに困っている高齢者を高校生が楽しみながら雪かきをして助けたいと考えました。単身世帯が増え、人と人とのかかわりが希薄になりつつあるというデータを挙げて雪かき支援の必要性を裏付け、高齢者のためにボランティアを集めて雪かきをし、その後高齢者と交流会を実行して高齢者の悩みを聞いたり、一緒にトランプをしました。雪かきボランティアを集めるのは大変だったようですが、一人ひとりに声を掛けることで5人が集まってくれました。
【プレゼン紹介資料】幸せにし隊(pdf)
ブログ https://profile.ameba.jp/ameba/shiawase1375
インスタグラム https://www.instagram.com/shiawase_nishitai/
不満から地域課題の貢献へ(ひろむ)
中間報告では、この3人と一緒だったひろむは、地域への“不満”についてディスカッションできるウェブサイトを作るというプロジェクトを一人で立ち上げました。ウェブサイトに誰かが不満を書き込むと、それを解決する“アイデア”を誰かが投稿し、それを読んだ会員に“アクション”を呼びかけるという仕組みです。
実際に、「雪を活用できていない」という“不満”に対し、「雪だるまを並べて見どころをつくろう」という“アイデア”を提案、友達に呼びかけて、最終報告会の前日に、湯沢市のサンロードで小さな雪だるまをたくさん作って歩道の端っこにズラリと並べました。わたしもこの雪だるま作りに加わりましたが、数十個の小さな雪だるまが並んださまは、ほんとにかわいらしく、道行く人をほっこりさせただろうなと思い、私たちの心も温まりました。
【プレゼン紹介資料】不満から地域課題の貢献へ(pdf)
WEBサイト https://shiawasenishitai.wixsite.com/shiawase
湯沢の商店街に「ミニ雪だるま」ずらり 地元高校生が呼び掛け、市民11人で(2022年1月22日 みんなの経済新聞)
MRTプロジェクト(まさや、りゅうのすけ、とわ)
次は、MRTプロジェクトの3人。彼らは、若い世代が湯沢や横手から流出していることを懸念し、なぜなのか、自分たちに何ができるかを考え、若い世代に地元の魅力を知ってもらうことが大事だと考え、地元の魅力を考えるワークショップを2回開催しました。2回目の時は1回目の反省会で指摘された声が低かったといった指摘を反映して声を大きくし、沈黙が気にならないようにBGMを流しました。また、地元の魅力をリーフレットにまとめ、これを人の集まるところに置かせてもらいました。このリーフレットの出来がすばらしく、デジタルネイティブの高校生たちの可能性にびっくりしましたが、本人たちはこのリーフレットについても振り返りをしっかりと行っていて、次回はさらにすばらしいものができそうだと思いました。
【プレゼン紹介資料】MRTプロジェクト(pdf)
リーフレット(pdf) https://orbray.com/magazine/wp-content/uploads/2022/01/mrtleaf.pdf
TikTok https://www.tiktok.com/@fropro_mrt3
知見発見プロジェクト(こうだい)
最後に発表したこうだいは、高校生が学校の勉強以外の知的活動に参加していないと感じ、知的好奇心を高めるためのワークショップの実施を計画しました。最初からひとりでプロジェクトを立ち上げ、中間報告の時点でも自分の頭でよく考えているなあと思いましたが、最終報告会ではさらに思考が深まり、大人が一生懸命聞いていても置いて行かれそうでした。発表の仕方にも聴衆を引き付ける工夫がみられ、コンサルタント出身の和田副社長もびっくりしていました。
【プレゼン紹介資料】知見発見プロジェクト(pdf)
昨年、ふろぷろが始まった頃は、自己紹介もトツトツとしていた高校生たちが、しっかりとスライドを作成し、堂々とプレゼンをする姿を見て、よくぞここまできたなあと高校生の息子のいる私は感無量でした。
人生って、こうしたプロジェクトの連続じゃないでしょうか?社会というのは、こうしたプロジェクトの集合体だと思います。
文部科学省もこうした探求型学習に力を入れていく方針を打ち出していますが、知識を詰め込むのでない課題解決型の学習の楽しさと大切さをふろぷろを通じて改めて感じました。そして、Orbrayも少しだけ、SDGsの4番目の質の高い教育をみんなにという目標と11番目の住み続けられるまちづくりに貢献できたかなと思いました。こうした小さな活動がつながり、広がっていくことに期待します。
関連リンク
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OrbrayのSDGsについて