長年受け継がれてきたSDGsの取組み
代表取締役社長 並木 里也子
今月から、SDGs関連の話題についても発信していきます。
昨今、ニュースで SDGsというキーワードをよく耳にするようになりました。
SDGsは2030年までに持続可能で、より良い世界を目指す国際的な17の目標です。2016年に始まった取り組みですが、そこに並べられた目標は、決して最近になって急に創り出されたものではありません。貧困の撲滅、教育、ジェンダーの平等など以前からさまざまなアプローチがなされてきた課題です。
当社もSDGsという言葉のなかった創業時から100年先も続く企業を目指し、SDGsの底流にある価値観の実現のためにさまざまな取り組みを進めてきました。
たとえば社内保育所ジャルダンや女性教育のための若草学園の設立。工場があるタイでの植樹、社員の子供たちを対象にしたスキー教室などです。
保育所ジャルダンは、工場の働き手を確保するために設立したと聞いております。1969年当時、本社のある東京都足立区新田あたりには若い子育て世代の住む団地が多く、そうした家庭のお母さんが子供を預けて働くことができる保育所は、地域の人々にも大変喜んでいただける先進的な社会貢献活動だったと思います。
こうした社員や地域のための取り組みを創業者並木一がどのようなきっかけで始めたのかを知りたいと思い、二代目社長 並木章二(現相談役)にインタビューしてみました。
常に家族と社員の幸せを願っていた創業者並木一は仕事のない父に代わって12歳で5人兄弟を養うため宝石研磨の世界に入りました。社員に対しては「成功の秘訣(ひけつ)は真面目にやること」と非常に厳しく接していましたが、根底には優しさがあり、社員の暮らしを楽にしてやりたいという思いを抱き続けていました。 また、とにかく新しいものが好きで、人よりも早く情報をキャッチし、すぐに実行に移す進取の気性に富んでいました。事業アイディアだけではなく、「これからは女性が働きに出る時代が訪れる」と言って、女性が働きやすい環境を整えたり、札幌オリンピックを見てスポーツを楽しむ人々が増えると予想し社員がスポーツを楽しめる機会を作ったりしたそうです。
ありがとう、シャレー並木
1972年、新潟県越後湯沢に社員の保養施設「シャレー並木」を建設した背景には、並木一のそうした想いがありました。
設立の翌年から「年末の忙しい時期に子供たちを預かり、スキーをさせてあげたら喜ばれるだろう」と社員の子弟のためのスキー教室のボランティア活動が始まりました。スキー教室の歴代校長は祖母、母に続き、2009年(37回)~2014年(42回)スキー教室は私が務めました。サマーキャンプ、田植えや稲刈り、ゴルフ、サッカー教室など、シャレー並木は子供たちが感動体験を共有する場として活用されてきました。
並木章二によると、並木一には自分が楽しいことは皆で一緒にやりたいという気持ちが強く、それがシャレー並木での活動の底流をなしていました。この精神は二代目社長 並木章二に共通していると思います。ただ、自分が楽しいことは絶対に皆も楽しいはず、という信念があり、時には周りを振り回してしまうこともあったと思います(笑)
昨年12月でシャレー並木は役目を終えることとなりましたが、これからも先代と並木章二の「社員や地域に喜ばれることをしたい」という想いを受け継いで、新たな取り組みを考えていきたいと思っています。
未来の地球や子供たちのために考えていく SDGsですが、日本人にとっては決して難しいものではないのかもしれません。もともと日本人には「もったいない精神」や「お互いさま」、「お米には神様がいる」、といったような考え方があるからです。青森や秋田に美しい自然が残されているのは、そうした先人たちの教えが守られてきたからだと思います。
SDGsの目標の達成には、例えばエコバックを使い、プラスチック製品を減らすなど、一人一人の小さな取り組みが大きな力となります。無理なく継続していけることを見つけて実行していくことができればいいですね。
OrbrayのSDGsの取り組みについてはこちら