ゆざわゼロカーボンピッチ
代表取締役社長 並木 里也子
湯沢市が主催した『ゆざわゼロカーボンピッチ』にて講演をしました。Orbrayの工場がある湯沢市では、2022年6月28日に、ゼロカーボンシティ宣言を行いました。この宣言は、2050年までに市内のCO2
排出量を実質ゼロにする「脱炭素化」を図るとともに、本市の特色を生かしながら経済や社会の同時発展につなげ、持続可能なまちづくりを進めることを目的としています。(出典 湯沢市ホームページ)
今後は、市民や湯沢市の企業、そして県とも連携をして、ゼロカーボンに向けて、計画を策定して、様々な取り組みを行っていくということです。そのためには、地域活動が鍵となり、世界が湯沢市の活動を手本となるようになれば良いなとイベントの冒頭で話されてました。
今回は、2部構成。第1部では、湯沢市内の企業の事例発表と湯沢翔北高校ビジネス科の皆さんからのゼロカーボンの促進活動とアイデア提案。第2部では、パネルディスカッションを行いました。
事例発表
参加企業様の事例を簡単に紹介します。
日本酒『爛漫』で有名な秋田銘醸株式会社の事例発表では、清酒製造におけるCO2削減、醸造工程ででる材料の有効活用のご紹介。
秋田エプソン株式会社では、熱を使わずにインクを吐出するインクジェットプリンター、使用済の紙から水を使用せずに紙を生み出す製紙機について。
株式会社稲庭うどん小川からは、うどんの切れ端の有効活用。例えば、子ども食堂への無償提供、クラフトビールへの転用などについて。
弊社は、技術でカーボンニュートラルに貢献ということで紹介をさせて頂きました。例えば、省エネルギーのLED照明。この光源の元となるガリウムナイトライドは、サファイア基板の上で成長させているのはご存じですか? そのサファイア基板を当社が製造しています。均一に効率よく発光させるためには、原子レベルでの研磨加工が欠かせません。CMPという独自の研磨方法で実現可能となりました。そして現在大口径化、量産製造を目指しているダイヤモンド。ダイヤモンドは、光り輝くだけでなく、特性に優れ、産業分野においても注目の素材です。半導体の主流となっているシリコンに比べて、ダイヤモンドは、バンドギャップがシリコンの約5倍あり、高温での動作が可能となります。また絶縁破壊電界強度は33倍と大きく高い電圧でも動作することができ、熱伝導率は17倍ということから放熱もしやすくなります。電気自動車のエネルギー効率向上とバッテリーコストの低減が可能となります。また振動発電を活用した無電源駐車場システムなど環境に優しい製品づくりを目指しています。Orbrayでは、WIPO GREENにも登録し、その内容をブログでも紹介させて頂いてます。
https://orbray.com/magazine/archives/2644
湯沢翔北高校の皆さんは、湯沢市のゼロカーボンロゴの制作について、また小・中学生へのゼロカーボンの広報活動、総カーボンオフセットの計画案などをプレゼンされてました。
小学生への広報活動によって、ゼロカーボンへの理解が深まったとのアンケート結果も出ていました。他の参加者の方がおっしゃっていましたが、若い方は、SDGsのネィティブ世代。啓蒙活動にも熱心で、紹介も上手ですね。また受け手側も理解をするのが早いと思います。
そして自主的に行動するパワーを持っています。
第二部のパネルディスカッションでは、参加者たちは現在の気候変動に対して深刻な懸念を抱いており、このままの状況が続くと大規模な天災が発生する可能性があると危惧されました。重要なのは、気候変動の現状を認識することとの意見が出されました。
この中で、企業がどのように対応できるかに焦点が当てられ、特に『アップサイクル』や『エシカル製品』などのキーワードが挙げられました。今後は企業の単独の努力だけでなく、地域全体の連携が必要であり、小規模な取り組みからでも始められることで、ゼロカーボンを目指して持続可能な活動を展開していきたいと思います。