Orbray株式会社(旧アダマンド並木精密宝石)ブログ。技術のトレンド、製品のワンポイント、SDGsなどについて紹介していきます。

アクセサリープロジェクトで女性社員を輝かせる!

   最終更新日:    公開日: 2025/05

広報室

「社員の幸せを最優先にしながら、社員が成長していける環境をつくり活躍を推進する」

これは、Orbrayが創業以来大切にしている理念です。もちろん、すべての社員がその対象ですが、私たちはここ数年、特に女性社員の活躍推進に力を入れています。男性比率の高い製造業というフィールドで、女性が主役となり、ものづくりを通じて自信とやりがいを得られるように──。そんな想いから始まったのが、今回ご紹介する「アクセサリープロジェクト」です。

女性が企画から完成まで製品づくりを主導

このプロジェクトは、横手工場でピアスの部品である「ポスト(軸)」を製造していたことがきっかけとなって「女性たちにアイデアを出してもらい、軸だけでなくピアスそのものを完成させることができたら、自信につながり、仕事へのやりがいも高まるのではないか」──。そんなアイデアが営業から里也子社長に提案され、賛同を得て、2023年6月にプロジェクトがスタートしました。

Orbray Business Office (BIZ)の4名、横手工場からは3名、湯沢工場から1名の計8名でプロジェクトがスタートしました。
彼女たちは、まず、ものづくりやデザインについて学ぶため工場を飛び出して工芸品や製造現場を見学に行き、研究を重ねました。自分たちで目標を立て、日頃の業務では知り合うことのない他の事業所のさまざまな仕事をしている人たちの協力を仰ぎ、試行錯誤を繰り返しながら完成を目指しました。

横手・湯沢チーム:「社章」に込めた宇宙への想い

横手・湯沢チームは、「Orbrayが持つ研磨技術が生み出すセラミックの美しさを、もっと多くの人に感じてもらいたい」との想いから、社章の制作に取り組みました。
社章は、身に付けることで企業の一員としての誇りを感じられるだけでなく、営業や企業説明会などの場では企業PRになります。また、お客様との会話のきっかけにもなると考えました。

デザインキーワード

デザインのキーワードは「天体」「光」「自然」「切る・削る・磨く技術」。メンバーは、天体をメインモチーフに据え、天体が光を浴びて輝くさまこそが、Orbrayという会社を表していると考えてデザインを考えました。
工芸品の制作は初めて。横手・湯沢工場チームは湯沢市の伝統工芸である川連漆器の佐藤慶太様の工房を見学しました。メンバーは時間を掛けて素材やデザインについて学びながらいくつもの試作品を創りました。
次に、横手工場でセラミックから形を削り出し、湯沢工場で磨きや装飾を行いました。カラーは黒、白、ミルク色の3色。ミルク色の素材はSDGsを意識して廃材を活用しました。また蓄光塗料を入れて光で社名がグリーンに発光するものも試作しました。

蓄光塗料社章

出来上がった社章は、立体感があり見る角度で表情が変わります。まるで時間を超えて輝き続ける宇宙そのもの。時がたっても変わらずに私たちのそばにある「宇宙」「希望」「輝き」を表現しています。

BIZチーム:業界を超えたアプローチ「ピアス」

一方、BIZチームは「業界の枠を超えてOrbrayを知ってもらう」ことをコンセプトに、ピアスの開発に取り組みました。Orbrayの製品は小さい上、消費者の目に触れないようなところに使われているため、技術力や美しさは一般の人にはほとんど知られていません。そのため普段の生活に使えるピアスを作ることでOrbrayを身近に感じてもらいたいと思ったのです。

セラミック製ピアス

最初に考えたのは、横手工場で製造されているセラミックのポスト(軸)に湯沢工場に眠っていた石を接着することでした。しかし、石が柔らかすぎて加工が困難でした。
次に、飾りとポストがすべてセラミックで一体成形されたピアスを試作しましたが、ポストの研磨が難しく、加工時間やコストの面から商品化には不向きだと判断し断念しました。最終的にたどり着いたのが、素材は全部セラミックですが、パーツごとに製造し接着する構造のピアスでした。

ピアス着用イメージ

白と黒で見た目はシンプルですが、セラミックの美しさが際立ち、着用してみると動くたびにキラキラと輝きます。また、レーザー加工で社名もしっかりと刻み込みました。セラミックのポストは金属アレルギーを持つ方も安心して使えます。Orbrayの技術を生かしてマット(艶消し)加工や丸みを帯びたデザインの試作品も作りました。

 
 

Orbrayの歴史を切りひらいた女性たちの挑戦

今回のプロジェクトの成果は、役員会でも発表されました。実は、役員会での女性社員によるプレゼンテーションはOrbrayの80年の歴史で初めてのことでした。里也子社長は、かねてOrbrayの女性社員が大勢の前ではつらつと発言できるようになることを願っており、プレゼン力の向上も、このプロジェクトの重要な目標の一つでした。社長は、発表者のプレゼン力が回を追うごとに向上していったと驚き、役員からも、「皆さんの努力が新たな社内文化を作り上げた」、「Orbrayの歴史の中で語り継がれる出来事だ」と高い評価を受けました。

今回のプロジェクトに参加した女性たちは、このプロジェクトについて、口々に、「初めは難しいと思ったが、いろんな人のアドバイスや協力を得て形にすることができて、うれしかった」、「普段関わることのなかった部署の人と話をしたり、高い技術を持った人に教えてもらうことができて勉強になったし、チームで進めていくって素晴らしいと思った」と感想を述べ、このプロジェクトに参加できたことを喜んでいました。
このプロジェクトは、Orbrayの女性社員にとって新しい歴史の始まりと言っても大げさではないと思います。これを初めの一歩に女性社員が自らアイデアを出してプロジェクトを立ち上げ、業務の中で身に着けた技術や社内外の人と連携し、課題にぶつかったらそれを克服しながら乗り越えていく──。今回のプロジェクトは小さな一歩ではありますが、今後もOrbrayは、もっと多くの女性社員を巻き込んで女性活躍推進のプロジェクトを続けていく見通しです。

アクセサリープロジェクト

地域との連携──ふるさと納税への展開

女性たちが作ったアクセサリーやピアスは、秋田県湯沢市の提案で、ふるさと納税の返礼品としての展開が検討されています。当社としてはこれによって地域経済へも貢献できると、とても期待しています。
東京と秋田の女性社員たちの創意工夫とOrbrayの技術が融合したこの製品が、全国の人々に届くなんて夢のようです。

女性たちが輝ける会社を、そして社会を

里也子社長がOrbrayを社名に込めた光を放って輝くというコンセプトに合った会社にするだけでなく、地域社会全体の女性を輝かせたいと願っています。
「他の会社の方にこのプロジェクトのことを話すと、非常に興味を持って聞いてくれます。こうした試みがほかの中小企業にも広がっていくことを期待しています」
今回のプロジェクトは、Orbrayにとっても、女性社員にとっても、新たな歴史の始まりです。
社員一人ひとりのアイデアを起点に、自らプロジェクトを立ち上げ、業務で培った技術や社内外のネットワークを活かし、課題を乗り越えていく──。その一歩一歩が、Orbrayの未来を切り拓いていきます。
今後も、より多くの女性社員を巻き込みながら、活躍の場を広げていく予定です。

女性たちが地域を照らす“光”となる。そんな未来を予感させる第一歩が、いまここに刻まれました。

     

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