Orbray株式会社(旧アダマンド並木精密宝石)ブログ。技術のトレンド、製品のワンポイント、SDGsなどについて紹介していきます。

LPレコードのステレオ化と楕円針

   最終更新日:    公開日: 2020/11

前回「レコード針のはなし4:LPレコードとレコード針の発展」に続き、レコードとそれに合わせたレコード針の進化についてお話しします。

ステレオのダイナミックな広がりを情報量豊かに楕円針が拾う。
Hi-Fi音楽の素晴らしい世界に浸る。

LPレコードのステレオ化

革新的だったLPレコードは再び新しい飛躍の時を迎える――LPレコードのステレオ化です。

音の良いLPレコードは急速に普及し、ハイファイが流行語となりました。ちょうどそのころ、レコード界に大きな出来事が起りました。テープレコーダの普及です。

テープレコーダーはその後、チャンネル数を増やすなど著しい発展をします。マルチ・チャンネル録音が可能なテープレコーダーをマスター送りだしソースとして、立体的な音響再生を行うステレオ・フォニック・レコードの研究が盛んに行われます。

Audio Fidelity first stereo LP.jpg
Audio Fidelity - Free-Jazz.net, パブリック・ドメイン, リンクによる

ステレオレコードのはしりはクックのバイノーラルレコード。これは1本のトーンアームに取り付けられた2個のカートリッジで、レコードの外側と内側に別々に刻まれた2本の音溝をトレースするという曲芸的なものでした。その後、いろいろな方式が実用化に向けて研究されましたが、ウエストレックスの45/45方式が、各レコード会社で採用され、今日にいたっています。

左右・上下方向に複雑な振幅をもつステレオレコードに、針先も対応していきます。

トレース能力に優れ、情報を限りなく引き出すステレオ時代のスタイラス 「楕円針」 の登場

45/45方式とは左右2つのチャンネルの音を45°ずつ傾いた音溝の側壁に録音するものです。しかし、その音溝は左下写真のように、実際にはかなり複雑に変化します。

周波数の変化によって音溝は左右に、そしてモノーラルLPレコードと異なって音溝の深さも変化します。このように複雑に変化して録音されたステレオ音溝を再生するためには、スタイラス自体がよりトレース能力に優れたものでなければなりません。しかし、従来の丸針では針先球面半径をより小さくするには限界があり、トレーシング歪・ロスを生じるという欠点がありました。

このような欠点を補うために考案されたのが楕円針です。図のように0.2~0.3ミルと非常に薄くして、録音針の形状に近付けています。複雑なステレオ音溝との密着度は良好で、水平方向のトレーシング歪・垂直方向のピンチ効果も大きく向上しました。


楕円針を含むレコード針のご説明はこちらのOrbray精密のレコード針のページでもしております。

               
   

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