地域とつながる拠点へ。新本社・地域貢献施設の上棟式を迎えて

秋田県湯沢市。かつて地鎮祭で「この地に深く根を張る」と大地に誓ったあの日から、季節は巡りました。澄み渡る空の下、私たちの新しい拠点は今、力強くその骨格を現しています。
2026年8月6日。Orbrayは、建設を進めている新本社および地域貢献施設において、上棟式を執り行いました。
上棟とは、建物の柱や梁などの骨組みが組み上がり、建物の輪郭が大きく見えてくる節目です。それは単なる建築工程の一段階というだけではありません。私たちが描いてきた未来の輪郭も、ようやく目に見える「形」として現れ始めた、希望の瞬間でもありました。
今回のブログでは、式典の様子と共に、建物の骨格が立ち上がったことで動き出した「地域との新しいつながり」についてお伝えします。

共に歩むパートナーへの感謝を込めて
式典には、社内関係者や秋田の皆さま、そして日々現場で工事を進めてくださっている髙久建設の関係者の皆さまが出席。髙久建設様の取り計らいのもと、上棟式は式次第に沿って厳かに執り行われ、無事にこの節目の日を迎えることができました。
並木社長がまず伝えたのは、上棟の日を無事に迎えられたことへの感謝です。地鎮祭から今日まで、安全に工事を進めていただいたこと。建物の骨格がここまで形になった姿を前に、「この計画がいよいよ現実のものとなってきた」と。その言葉には、関係者への感謝と、この場所が少しずつ形になっていく確かな実感が込められていました。
完成まで続く工事が、最後まで安全第一で進むようにと願いながら、一つひとつの柱や梁が組み上がり、建物の輪郭が見えてきたこの日。それは、Orbrayが掲げてきた「第二の創業」への決意が、一歩ずつ現実の姿となって現れ始めた節目でもありました。

「働く場」を超え、地域と技術が交差する拠点へ
私たちは、この新しい建物を単なるオフィスや施設とは考えていません。並木社長が挨拶の中で強調したのは、この場所が持つ「役割」の広がりです。
「この新本社・地域貢献施設は、単なる建物ではなく、社員が働く場であると同時に、地域の皆さまとつながり、次の世代へものづくりの魅力や技術の可能性を伝えていく拠点となることを目指しております」
Orbrayが長年培ってきた精密宝石加工の技術、「切る、削る、磨く」というDNAは、これからの100年を見据え、より開かれたものへと進化していきます。新本社の隣に「地域貢献施設」を設けたのは、まさにその想いを具現化するため。
子供たちがものづくりの楽しさに触れ、地域の皆さまが気軽に集い、交流する。完成した建物の中で、そんな活気ある情景が繰り広げられる日が、すぐそこまで来ていることを、立ち上がった梁を見上げながら改めて強く実感しました。

湯沢の夏の熱気と共に、笑顔が弾けた「餅まき」
上棟式が執り行われたこの日は、湯沢市が一年で最も華やぐ「七夕絵どうろうまつり」の開催日でもありました。
お祭りの風情を大切にするように、並木社長は涼やかな夏着物姿で式典に臨みました。この日身にまとっていたのは、曽祖母から受け継いだ、百年前の夏結城。そこには、「祖父と一緒にこの場に立つ」という想いが込められていたそうです。
古き良きものを受け継ぎ、次の時代へつないでいくこと。その姿は、地域の伝統や文化を大切にしながら、湯沢の皆さまとともに歩んでいきたいというOrbrayの姿勢とも重なります。
式典のハイライトとなったのは、昔ながらの「餅まき」。会場には、近隣にお住まいのお子さまから年配の方まで、本当に幅広い世代の方々が集まってくださいました。
餅まきには、建物の完成と工事の安全を願うとともに、地域の皆さまへ福を分かち合うという意味が込められています。 今回のお餅には、5円玉や50円玉も添えられました。「お祭りで使ってね」という並木の声に、集まった地域の方々からも笑顔が広がります。そこには、企業と地域という垣根を超えた、人と人との温かな触れ合いがありました。
並木社長自身も、地域の方々と直接言葉を交わし、笑顔を共有できたことを心から喜んでいました。それは、建物が完成する前から、すでにこの場所が地域に開かれ、受け入れられ始めていることを感じる、貴重なひとときでした。

地域に愛され、共に育っていく場所
餅まきの後、印象的な光景がありました。上棟されたばかりの地域貢献施設の建物の前で、嬉しそうに記念撮影をされている地域の方々の姿です。
まだ壁もなく、骨格だけの状態ではありますが、すでにこの場所は「自分たちの街の新しい場所」として、地域の皆さまの記憶に刻まれ始めています。私たちの挑戦は、地域の皆さまの笑顔や期待に支えられているのだと、その光景を眺めながら背筋が伸びる思いがしました。
「この建物がOrbrayの新たな挑戦を支える象徴となり、地域の皆さまに親しまれ、多くの人が集い、交流する場へと成長していくことを願っております」
並木社長が語ったこの願いは、工事が進むにつれて、より確かな確信へと変わっています。柱や梁が建物のかたちをつくりますが、その場所に命を吹き込むのは人です。そこに集う人々の想いや、地域と共に歩もうとする意思こそが、建物を真の「拠点」へと育てていくのです。

新たな節目から、未来への一歩を
上棟式を終え、プロジェクトはいよいよ後半戦へと向かいます。骨格が出来上がった次は、そこに肉付けがなされ、具体的な機能が備わっていきます。しかし、どれほど建物が立派になろうとも、私たちの根底にある「一社如一家(いっしゃいっかのごとし)」の精神、そして地域への感謝の気持ちが変わることはありません。
今回の式典は、Orbrayが湯沢という地の一員として、より深く、より強く地域と結ばれていくための「結び」の儀式でもありました。完成の日、この場所で地域の皆さまとどのような会話が生まれるのか。次世代を担う子供たちが、ここでどんな夢を描くのか。その光景を想像すると、胸が高鳴ります。
私たちはこれからも、湯沢の地域の一員として、この場所が多くの人に親しまれる拠点となるよう、一歩ずつ歩みを進めてまいります。この日の上棟を新たな節目として、気持ちを新たに。新本社・地域貢献施設の完成を、どうぞ楽しみにお待ちください。
【アナザーストーリー】私にとって、初めての「地元の祭り」
東京で育ち、去年湯沢に移住した私には、実は「地元の祭り」という経験がありませんでした。渋谷の学校へ電車とバスで通学する毎日。成人式や同窓会に参加しても、地元のつながりを感じる機会はほとんどなかったんです。

5年前、初めて湯沢の七夕絵どうろうまつりに来た時は、たった一人で見て回るだけでした。それが年を重ねるごとに「あら、並木さん」と声をかけてくれる方が増え、市長と盆踊りを踊るようになり……いつしか、この地域に「おかえりなさい」と温かく迎えられる感覚を知りました。今では娘もボランティアとして出店の販売を手伝うほど、このお祭りを心待ちにしています。
上棟式で、餅まきに集まった子どもたちやご年配の方々の笑顔を見ていたら、こうした古き良き人の温かさを、この先もずっと大切に残していきたいと強く感じました。
私にとって、湯沢の祭りは人生で初めてできた「地元の祭り」です。Orbrayとして絵どうろうを出すことも、私たちが地域の一員として少しずつ根付いていく大切な一歩。声をかけてもらい、笑顔を交わし、また来年もここに帰ってきたいと思える時間なのです。
こうした一つひとつのつながりを大切にしながら、Orbrayもまた、湯沢という地域に根を張り、ともに歩んでいきたいと思っています。





