秋田から世界へ――Orbrayで見つけた挑戦し続ける生き方

秋田県湯沢市の工場から生み出される世界最高水準の「サファイア基板」を、地球の裏側まで届ける海外営業。また、直径約2メートルの鉄の輪の中で自らの体を操り、自在に回転しながら表現する「シルホイール(一輪ラート)」という競技。
一見、全く無関係に見えるこの二つの活動は、一人の青年の根底にある「日本の価値を世界に届けたい」という強い想いで繋がっています。
Orbrayで海外営業を担当する金井茂樹さん。彼は、フルタイムの会社員として働きながら、シルホイールの日本代表として世界大会を目指す“二刀流”の挑戦者です。「地方だから」「会社員だから」という言葉で、自分の可能性に蓋をすることはない。秋田・湯沢で生まれた技術を世界へ届けながら、自らも世界に挑み続ける彼の物語を紐解きます。
世界と出会った原点、そして気付いた「日本の価値」

金井さんがシルホイールという聞き慣れない競技に出会ったのは、大学4年生の時でした。長年続けてきた器械体操を引退し、新しい挑戦を探していた折、YouTubeで目にしたそのダイナミックで美しい動きに心を奪われました。
「これをやってみたい」。その一心で、指導者も器具もない状態から、独学で練習を始めました。その探究心は、彼をドイツへと向かわせます。本場の技術を学ぶための留学。しかし、そこで得た最大の収穫は、競技の技術だけではありませんでした。
「ドイツで生活していると、日本の製品やサービスの信頼性の高さに驚くことが多かったんです。現地の人が『日本の製品は本当に素晴らしいね』と称賛してくれる。日本の丁寧な接客や品質へのこだわりが、外から見て初めて、どれほど稀有で価値のあるものかに気付かされました」
異国の地で感じた、日本人としての誇り。自らのルーツである日本の価値を、もっと世界に広める仕事がしたい。その想いが、彼のキャリアの羅針盤となりました。
秋田・湯沢発。世界が認めた技術を届ける誇り
帰国後、金井さんが仕事の舞台に選んだのはOrbrayでした。
世界に誇る「サファイア基板」の技術を、秋田県湯沢市から世界へ届けるこの会社。その決め手は、若手であっても「やりたい」という意志を尊重し、世界へ飛び出すチャンスを与えてくれる環境があったことです。
「海外と関わる仕事がしたいと思っていました。そんな中で響いたのが、『やりたいことがあるなら挑戦していい』というOrbrayの姿勢でした。実際に入社してからも、自分で考え、提案し、行動することを後押ししてもらえています。そういう環境が自分には合っていると感じています」
現在、金井さんは海外営業として、アメリカやヨーロッパの世界中の顧客を相手にしています。扱うのは、次世代の半導体開発や医療機器の製造を支える超精密部品。その品質は、世界でも高い評価を得ています。
「印象的だったのは、アメリカのお客様を訪問した時のことです。コスト重視で他社製品も検討していたお客様が、私たちのサファイア基板をデータで分析した際、基板の洗浄度の高さが他社より優れていることが証明されました。その瞬間、『Orbrayのものを使いたい』と言っていただけたんです」
彼の目には、秋田・湯沢の工場で黙々と製品を作り上げるエンジニアたちの姿が、最高に格好良く映っています。最新鋭の設備をただ導入するのではなく、長年紡いできた「匠の技術」で、世界最高水準の品質を実現する。その「日本らしさ」が、Orbrayの強みだと確信しています。
「秋田の工場で、技術者の方々が長年培ってきた匠の技が、地球の裏側の研究開発を支えている。その一翼を担えていることに誇りを感じています」

葛藤の先にあった、「二刀流」であることの真価
しかし、世界を目指すアスリートと海外営業の仕事の両立は、決して平坦な道ではありませんでした。平日はフルタイムで働き、週末は練習拠点のある茨城まで移動する。そんな過酷なスケジュールの中で、社会人ならではの葛藤も生まれました。
「社会人になって、自分には仕事での役割があり、一人で生計を立てていく責任がある。怪我をしたらどうしようという不安から、以前のように思い切った練習がやりづらくなっています。新しい技に挑戦できず、演技の幅が広がらない。『もう辞めたほうがいいのかな』――そう迷ったこともあります」。それでも彼を突き動かしたのは、やはり「世界」の存在でした。
「世界大会の舞台に立つと、世界中の選手や観客が集まります。その中で、日本人として自分だからこその表現を見てもらえる。その高揚感、その景色は他では絶対に味わえません」
仕事も競技も、金井さんにとっては『日本の価値を世界で体現する』という一点で繋がっているのです。
そして今では、二つの活動が相乗効果を生んでいるといいます。
「お客さんに、自分のシルホイールの動画を見せるんです。すると一気に距離が縮まり、相手にすごく覚えてもらえるんです。また仕事とシルホイール、一方の調子が悪くても、もう一方で頑張れる。二刀流だからこそ、人生に張りが生まれ、どちらの活動にもより深く向き合えるようになりました」
「地方だから」「社会人だから」という固定観念を壊す
「何かを始めるのに、場所や時期は関係ありません」
金井さんは、自身の経験からそう断言します。シルホイールを始めたのは大学4年生から。器具も指導者もいないゼロからのスタート。それでも、想いを持って動き出せば、きっと誰かが応えてくれる。ドイツのクラブに自らメールを送って道を切り拓いた彼だからこそ、その言葉には重みがあります。
そして、その挑戦を支えているのは、Orbrayという会社の寛容な文化です。
「当社には、やりたいことを後押ししてくれる風土があります。仕事をバリバリやりたい人も、プライベートを大切にしたい人も、それぞれの生き方を尊重してくれる。定時で帰って自分の活動に充てる人もいれば、僕のように多少は残業してでも仕事に打ち込み、週末に競技に集中する人もいる。多様な『挑戦』を当たり前に受け入れてくれる環境があるからこそ、僕は僕でいられるんです」
秋田という地方に拠点を置きながら、世界中のイノベーションを支える技術を磨き続けるOrbray。そこには、都市部の大企業にも負けない、ダイナミックな世界との繋がりがあります。

秋田から世界へ――挑戦は続いていく
金井さんの視線は、すでにその先にあります。
「今後も日本人として、日本の製品を世界に届け続けたい。いつか海外を拠点にして現地のニーズを深く知りたいし、Orbrayとして国際的なプロジェクトにも参画したい。自分が関わることで、日本のイメージをさらに高め、日本に恩返しができるような働き方をしていきたいんです」
「仕事は自分のためではなく、誰かのためにやるもの、それが僕の信念です。その先で『ありがとう』と言ってもらえた瞬間、社会に貢献できている実感が持てます。
仕事でも遊びでも何でも、自分が熱狂できるものを諦めないでほしい。Orbrayは、そんな『挑戦し続けたい人』を決して否定しない、むしろ背中を後押ししてくれる会社です」
金井さんが語るその価値観は、Orbrayが40年以上にわたって磨き続けてきた技術者たちの魂とも共鳴しています。
秋田から世界へ。仕事も人生も、諦める必要はない。あなたがもし、自分の可能性をどこかで制限しているのなら、Orbrayという舞台を覗いてみてください。 ここには、世界を相手に、自分らしく挑み続ける「大人」たちがいます。100年先を見据えて。私たちと共に、新しい物語を創り上げる仲間を待っています。
【アナザーストーリー】世界を巡って気づいた、秋田という「心のふるさと」
本編では世界大会への挑戦や仕事についてお話ししましたが、ここでは少しだけ、金井さんが感じる“秋田の魅力”について――。
大阪出身の金井さんですが、秋田には不思議な愛着を感じているそうです。出張などで秋田を訪れるたび、きれいな空や豊かな緑に囲まれながら散歩をする時間が、何よりのリフレッシュになっているのだとか。
「実は僕、大阪出身なんです。でも、秋田に来ると不思議と『ふるさとに帰ってきたな』って感じるんですよね」

世界各地へ出張する機会が多いからこそ、改めて気づいたこともあります。それが、日本のお米のおいしさです。海外では日本とは異なる触感のお米に出会うことも多く、「やっぱり日本のお米が一番だな」と感じることが増えたそうです。工場の社食では、あきたこまちを使ったご飯を大盛りでお願いすることもあるのだとか。
「海外のお米ももちろん食べますが、日本のお米のもちもち感や甘さはやっぱり特別ですね。食べるとホッとします」
そんな金井さんには、いつかやってみたいことがあります。それは、海外のお客様を秋田へ案内すること。山々を一望できる温泉に一緒に入りながら、秋田の自然や文化を体感してもらいたいと話します。
「温泉に入りながら景色を眺めて、『秋田っていいところだね』って感じてもらえたら嬉しいですね」
日本酒やきりたんぽなど、まだまだ知らない秋田の魅力もたくさんあるそうです。世界を知れば知るほど、秋田の持つ穏やかさや温かさが身に染みる――。そんな金井さんの言葉からは、秋田という土地への優しいまなざしが伝わってきました。



