地域の学生と考える、未来のものづくり。Orbrayが伴走したキャップストーンプロジェクト

秋田・湯沢の地に深く根を下ろし、世界を見据えたものづくりを続けるOrbray。私たちは精密加工技術の追求だけでなく、次世代を担う若者たちの育成や地域貢献を大切な使命と考えています。その一環として取り組んでいるのが、秋田県立大学の学生たちが挑んだ「キャップストーンプロジェクト」への伴走です。
学生たちの試行錯誤と成長、そこから見えてきた「生産技術」の未来について、プロジェクトの軌跡をレポートします。
地域の学生と企業が、ともにものづくりの課題に向き合う

秋田県立大学の学生たちが取り組んだ今回のキャップストーンプロジェクトは、前年度の研究テーマを継承する形でスタートしました。今回の研究の大きな目的は、熟練者が長年の経験で培ってきた技術を、いかにして自動化の仕組みに落とし込むかという点にあります。
Orbrayは、単に答えを教える講師としてではなく、共に課題に向き合うパートナーとしてこのプロジェクトに参加しました。月に1回程度のオンラインディスカッションやメールでの質疑応答を通じ、実社会での経験に基づく視点を共有しながら、学生たちの研究を後押ししてきました。先輩たちから受け取ったバトンを手に、学生、教員、そして企業が一体となって、今年度取り組むべき課題の輪郭を明確にしていきました。
新しい技術への期待から始まったプロジェクト
プロジェクトの初期、研究室に配属されたばかりの学生たちの間には、まだどこかぎこちなさが漂っていました。「最初は研究室に入りたてで、あんまり知らない仲だったので、ちょっとぎこちないところもありました」と、振り返ります。
しかし、その根底にあったのは、新しい技術に触れることへの強い好奇心でした。
「先輩たちに前年度の内容を教えてもらいながら、今年度やっていくことを明確にしていきました。新しいことに挑戦したり、前回のものを改善したりする中で、新しく学ぶ技術に期待というか、ワクワクしながら取り組んでいました」と、意欲を語る学生の言葉が印象的でした。
研究が進むにつれ、チームは「ステージ班」「クランプ班」「画像処理班」の3つに分かれ、それぞれの役割を分担しました。最初は個々の活動が中心でしたが、各班で意見交換を重ね、間違いを指摘し合うプロセスを経て、チームとしての結束力が強まっていきました。最終段階で行われた予備実験では、全員が自発的に意見を出し合い、一つの目標に向かって団結する姿が見られました。
Orbrayの伴走が、学生たちの考える力を支える
学生たちにとって、外部の企業と直接やり取りをすることは、大学の講義だけでは得られない貴重な経験となりました。特に、メールでの意見交換や、進捗状況をスライドにまとめて共有するといった実務的なコミュニケーションは、彼らにとって大きな挑戦でした。
「学内では経験がありますが、外部の方とメールで意見交換をするのは初めての機会でした。どうメールを書けばいいのか、どう意見を伝えればいいのか、最初は戸惑いもありました」と語ります。
こうしたプロセスに対し、Orbrayは専門的な知見から、常に学生たちの目線に立って寄り添いました。
「自分たちの意見に寄り添ってくれて、知識が足りない部分に関しても、専門的な知識をもとに細かいアドバイスをいただけたので、とても参考になりました」。
Orbrayの役割は、正解を提示することではありません。学生たちが自ら考え、判断するためのヒントを提示し、「考える力」そのものを支える伴走者でありたいと考えました。
学生が体感した、生産技術のリアル
今回のプロジェクトを通じて、学生たちは「生産技術」という仕事の醍醐味とリアリティを肌で感じることになりました。大学の研究室という枠を越え、実際の企業現場に近いテーマに取り組むことで、技術者としての自分を具体的にイメージするきっかけとなったようです。
ある学生は、この体験を次のように振り返ります。
「他のプロジェクトと違い、今回はどちらかというと生産技術に近い内容でした。実際に企業に入ってから取り組むようなテーマを、学生のうちに体験できたことが面白かったです」。
アイデアを出し、それを形にするためにどのようなステップを踏み、目標を達成していくのか。その具体的なフローを体験したことで、「こういう仕事も面白そうだ」と、自身の進路の選択肢の一つとして技術職を捉え直す学生も現れました。

熟練技術の自動化という、社会に求められるテーマ
学生たちが挑んだ「熟練技術の自動化」という課題は、決して容易なものではありません。しかしそれは、現在のものづくり産業が直面している、避けては通れない社会課題でもあります。
画像処理を担当した学生は、研究の意義をこう捉えています。
「職人さんの腕によって作られているものは、今の社会にたくさんあると思います。それを自動化したり、職人の腕だけに頼らない形で制作したりする取り組みは、今後いろんな場面で必要になるのではないかと感じました」。
今回のプロジェクトが「企業賞」を受賞した理由も、まさにこの点にあります。少子高齢化による労働者不足や技術継承の難しさに悩む企業が多い中、学生たちがそれぞれの班で明確な目標を立て、着実な成果を上げたことが高く評価されたのでしょう。社会が切実に求めている課題に対し、学生らしい柔軟な発想と真摯な努力で答えを出そうとした姿勢が、実を結んだのです。
地域から、未来のものづくりを育てる
熟練技術の自動化という難題に正面から向き合い、自分たちなりの答えを探し続けた学生たち。その姿は、これからのものづくりを担う世代の頼もしさを感じさせるものでした。
Orbrayが長年大切にしてきた「やる気で挑戦」という精神は、今回のプロジェクトに関わった学生たちの姿とも重なります。失敗を恐れずにまずやってみる。その過程で得られる気づきこそが、人を育て、技術を未来へと繋いでいく原動力になります。
私たちはこれからも、秋田に根ざす企業として、次世代の学びや挑戦に寄り添い続けます。学生たちの瑞々しい感性と、私たちが培ってきた専門知識が響き合うことで、未来のものづくりはもっと面白くなるはずです。Orbrayは、これからも地域と共に、新しい物語を創り上げる挑戦を続けていきます。







