Orbray株式会社(旧アダマンド並木精密宝石)ブログ。技術のトレンド、製品のワンポイント、SDGsなどについて紹介していきます。

未来への種まき ― Orbray Junior Academyが描く、地域と子どもたちの可能性 ―

   最終更新日:    公開日: 2025/10

湯沢工場・横手工場総務

8月5日(火)、 58名の小学生が参加して「Orbray Junior Academy ~サマーディスカバリー2025~」が開催されました。
このプログラムは、子どもたちに夏休みの体験学習の機会を提供するにとどまらず、企業がいかに新たな価値を生みだし、地域に貢献しているかを知ってもらうために毎年行っています。

短い時間ではありましたが、子どもたちは目を輝かせて参加してくれました。家に帰って、ひとりで実験を繰り返した子もいたと聞き、この日の体験が地域の未来を担う子どもたちの胸にしっかり刻まれたのを感じました。

新たな挑戦

今年は、社内公募に応じた9名のプロジェクトメンバーに加え、里也子社長が企画の段階から加わってくださったこともあり、2つの挑戦を行いました。

1つ目の挑戦は、初めて外部講師をお迎えしたことです。スノーボードやスキーを製造販売する株式会社永井の代表取締役で、新潟県南魚沼市議会議員を務める永井拓三氏です。社長というより知識の豊富なおにいさんというイメージの永井氏を迎え、会場にはこれまでにない躍動的な空気が広がりました。

外部講師永井拓三氏

2つ目は、イベント名称の刷新です。これまでの「サマーディスカバリー」に「Orbray Junior Academy」の名を加え、単なる「お祭り的イベント」から「学びの場」へと進化しました。今後は高校生、大学生を対象としたプログラムも増やし、小学生から大学生まで一貫した教育活動を見据えます。

プロジェクトに込めた4つの想い

今回のプログラムに、私たちは次の4つの願いを込めました。

1. 地域への誇りを育むこと
  秋田の素晴らしさを知り、ふるさとに誇りを持ってほしい。

2. 企業ファンの創出
  Orbrayの匠の技を体感し、私たちの会社を好きになってほしい。

3. 家族の絆を深めること
  両親や祖父母の仕事を知り、家族をより身近に感じてほしい。

4. SDGsへの貢献
  廃材を活かした工作を通じ、モノを大切にする心を育んでほしい。

 

雪から始まる秋田の魅力

雪の魅力
「秋田に雪が降らなかったら、どうなると思う?」
永井氏の問いかけに、子どもたちは真剣な表情で想像を膨らませていました。雪の結晶の美しさ、降雪の不思議な仕組み、そして秋田の文化や暮らしとの深いつながり。

雪といえば「寒さ」とか「大変」といったネガティブなイメージで捉えがちですが、実は自然や文化にとってかけがえのない宝であることを、子どもたちは永井氏と一緒に行った実験を通して体感しました。

過冷却水実験中

零度を下回っても凍らない過冷却水の実験では、水が衝撃を与えると瞬時に氷へ変わる様子に大きな歓声が上がりました。
ドライアイスを使って雪の結晶を作る実験では、子どもたちから「雪の結晶はなぜあんなに美しい形になるの?」「どうして雪は白いの?」と鋭い質問が次々に飛び出し、その探究心の旺盛さに大人の私たちも驚かされました。

  

廃材が宝物に変わる時間

記念品作りの時間には、湯沢工場の「サファイア基板の廃材」と、株式会社永井のスノーボード製作過程で出る廃材を使って、コースターやキーホルダーをつくりました。

廃材で工作

「これ、本当にいらなくなったものなの?」
子どもたちの驚きや疑問は、SDGsやアップサイクルといった少し難しい概念を自然に理解する入口となりました。
廃材は子どもたちの小さな手で命を吹き込まれ、世界に一つだけの作品へと生まれ変わりました。
子どもたちは楽しみながら持続可能な社会へ一歩を踏み出したのです。

  

工場探検で知る「誇れる仕事」

レコード鑑賞
工場探検では、子どもたちは冒険気分で製造現場を歩き、職人の技が生み出す精密な製品に歓声を上げました。
最後にはレコード鑑賞も行いました。デジタル世代の子どもたちが初めて聞くアナログレコードの温かい音色に静かに耳を傾ける姿が印象的でした。

工場見学

「お父さん、お母さんって、こんなすごいところで働いているんだ」というある子どものつぶやきは、まさにこのイベントの成果を象徴するものだったと言っても過言ではありません。
親の職場を見ることによって、家族への誇りと感謝の気持ちが育まれていくでしょう。それは、教科書では得られないかけがえのない学びになったと思います。

  

地域の未来へとつながる種まき

子どもたちの笑顔や積極的な参加を通じ、私たちの4つの願いは確実に実を結びました。

特に印象的だったのは、子どもたちの「質問の力」です。大人顔負けの視点や、思いもよらない発想は、秋田の子どもたちが秘める無限の可能性を感じさせてくれました。
子どもからの質問

これからも続く物語

イベントを終えた子どもたちの手には、自ら作ったコースターやキーホルダーが握られていました。そして心の中には秋田への誇りと科学への関心が宿っていました。
私たちは、今後も、このプログラムを続け、より多くの子どもたちに届けていきたいと考えています。なぜなら、この日ここに集まった58名の中から、未来の研究者や技術者、そして地域を支える誇り高き大人たちが生まれてくると信じているからです。
Orbray Junior Academyは、単なる企業イベントではありません。
それは、地域の未来への投資であり、子どもたちの可能性を信じる大人たちからの、心のこもった贈り物なのです。

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